富士市新規採用職員研修~協働ってなに?~
2007年 11月 02日
テーマは「協働」
この研修に向けて、人事課の担当さん三人が打ち合わせのために、何度も「たごっこはうす」に足を運んでくれ、熱い思いを聞かせてもらいました。
僕も元県庁職員として、今はNPOの立場として、富士市の行政がよりよくなるためのお手伝いができればと、その思いに応えるべく企画を練りました。
そして、こんな研修になりました。
一日目午前
●アイスブレイク(緊張を解く軽い作業)
⇒自己紹介を兼ねて「私、○○課の△△です。実は□□をやっています。」というものを紙に書いてもらい、発表をしてもらいました。
□□の部分には業務とは別にやっている地域活動や趣味などを入れてもらいました。
これは二日間、研修室に掲示をして、受講者の交流づくりにも役立ててもらいました。
●講義「協働とは何か?」
⇒アイスブレイクを受けて、自分の趣味の一つだった音楽が県庁で国体の仕事をした時に、国体の式典・音楽を担当された作曲家・林哲司さんとの繋がりに役立ったこと、その林さんが富士市のコミュニティFM「ラジオf」の社長になり、今も繋がりが持てていることなどを紹介。
⇒ともに人気歌手のEXILEと倖田來未のコラボレーションによるヒット曲「WON'T BE LONG」を流し、協働のイメージを掴んでもらいました。
⇒その後は少し教科書的な協働についての講義と自分が県庁職員時代に経験した協働の事例を紹介しました。その中で市民感覚、生活者感覚が大事であるということを伝え、それを養ったり、人脈づくりに役立ったりするのが、冒頭のアイスブレイクで発表してもらった公務員としての顔以外の顔を持つことだと結び付けました。
一日目午後
●ワークショップ(作業)「なぜ、この仕事を選んだのか?~夢のカタチ~」
⇒静岡大学教育学部に招かれての特別講義で、「なぜ、教師になりたいのか?」という問い掛けをしました。僕らの活動もそうですが、子どもたちと向き合っている職業人は教師以外にもいます。児童精神科医、非行カウンセラー、水中パフォーマー、バレエ教室指導者、駄菓子屋のおばちゃん…僕の人脈でもある人たちのスライドを見せながら、子どもたちの豊かな成長を支援するための関わり方はいろいろとあるのに、それでも「なぜ、教師になりたいのか?」という問い掛けを学生たちにしたんだよという話を紹介。
そして、教師(=職業)は、そのものが夢ではなく、夢を実現するための手段なんだという解説をし、では、なぜ、受講生たちは富士市の公務員になったのか、グループに分かれて、「夢のカタチ」を語り合ってもらいました。
その後、代表で8人に発表をしてもらいましたが、どの受講生も自分の言葉で自分が描いている夢を語ってくれました。
●事例発表「ゆめ・まち・ねっとの活動」
⇒ゆめ・まち・ねっとの活動に参加し、生き生きとした表情を見せる子どもたちの姿を動画やスライドで紹介。その陰でどんな協働が行われているのかを紹介しました。
受講生の1/5以上は保育士・幼稚園教諭だったので、活動そのものへの共感もありました。活動紹介を通して、市民活動では、「思い」や「志」が大切でもあり、それが活動者の楽しみ、生きがいでもあることを伝えたかったので、嬉しい反響でした。
●ゲストインタビュー
⇒吉原商店街の中にお店「吉商本舗」を開いている吉原商業高校の先生と高校生の部長、副部長さんをお招きし、行政×NPO×高校の協働の成果について話をしてもらいました。
二日目午前
●ゲスト講話
⇒前日最後の「吉商本舗」の取り組みを行政として支える富士市商業労政課職員とNPOの立場から支援しているNPO法人東海道・吉原宿の三浦事務局長にお話をいただきました。
三浦さんはNPO東海道・吉原宿のそのほかの活動も紹介をしてくださり、その中でのいろいろな協働(パートナーシップ)についてわかりやすく解説をしてくれました。
●ワークショップ「市民協働を高めるために、私たちにできること」
⇒職種別(事務、技師、保育士、消防士など)にグループになり、協働のアイデアを出してもらいました。
専門職種のグループからは、専門職ならではのアイデアが出されましたが、一般事務職グループでは、グループ内での話し合い自体が難しいという声も聞かれました。そして、そこから、行政の中でまず横断的な連携をすることが大切なんだという気付きもあったようです。
二日目午後
●鼎談
⇒県庁職員・山本六三くんと焼津市職員・早川隆之くんをお招きし、三人で行政の仕事、行政以外での市民活動を縦軸に、人のつながり、変化、夢を横軸によもやま話を展開しました。
受講生からも話題提供や質問をしてもらい、聴講者参加型の鼎談を展開しました。
●ふりかえりワークショップ
⇒この二日間で学んだことを漢字一文字で表現してもらい、その漢字に込めた思いを受講者全員に語ってもらいました。
「輪」、「共」、「語」、、「笑」、「楽」、「感」、「和」、「動」……などなど様々な漢字が様々な思いを込めて語られ、僕自身もとても感激をしました。
最後に僕からは「夢」という漢字を贈らせてもらい研修を閉じさせてもらいました。
研修終了後、僕だけでなく、ゲストで呼んだ山本くん、早川くんもたくさんの受講者に囲まれ、名刺交換を求められたり、助言を求められたりしていました。
僕も受講生に握手まで求められ、とても嬉しかったです。
翌日、受講生の一人からは「こんなに心から楽しいと思い、積極的に参加しようと思えた研修は初めてだったので、メールをさせていただきました。」と感謝のメールをもらいました。
人事課さんも研修でのこうした反響は初めてだと喜んでいらっしゃいました。
まさに、この研修自体も行政(市人事課)と市民(NPO)との協働により成果を創り出すことができたのではないかと思います。
研修で出会ったみなさんに、そして、研修の企画・運営の機会を与えてくださった市人事課さんに、そして、研修をいろんな形で支援してくれたみなさんに感謝します。
ありがとうございました。
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