子どもたちを取り巻く環境
2005年 07月 03日
両親を殺したり、兄弟を殺したり、同級生を殺したり…。
時間どろぼうの物語として有名なミヒャエル・エンデの『モモ』という本を読んだ人も多いだろう。
この物語の中で、児童文学者であった作者は、時間に追われ大切なものを見失っていくる大人たち、そして、その犠牲になって、遊びを奪われていく子どもたちの姿を描き、社会に警鐘を鳴らしている。
内容はごくごく最近の話のような感じだが、この本が出版されたのは1973年。実はもう32年も前のことだ。
日本でも1975年には「乱塾ブーム」ということが言われている。30年も前だが、すでに小学生の62%が塾に通っている。
それから5年後の1980年にはインベーダーゲームやブロックくずしなどのゲームが大流行し、一方で金属バットで親を殺した事件を代表に家庭内暴力、校内暴力が社会問題化した。
さらに5年後の1985年にはファミコンが大ヒットし、一方で「いじめ」が社会問題化し、子どもの自殺も相次ぎ始めた。もう20年も前のことである。
20~30年前のそんな社会状況の中で小学生時代を過ごした子どもたちが今、子どもたちの親世代になっている…。